より良い介護施設を求めるなら、誰のための介護かを考えよう

介護施設労働者の苦労 介護施設労働者の苦労
誰のための介護かを考えよう

誰のための介護かを考えよう


誰のための介護施設なのか

介護施設で働くという事は、当然その施設を利用する要介護状態の高齢者や家族のために働く事だと思います。しかし実際に働き始めてみて驚くことがあるといいます。それは自分が利用者のために仕事をしているのではなく、介護施設の経営者のために仕事をしていると感じる事があるというケースです。このように介護士が感じてしまうのは、あきらかに介護の質や量が足りない、利用者を満足させるサービスができていない時でしょう。
介護施設の規模や利用者に対して介護士の人数が足りずに、なんとか法的に認められるギリギリの範囲でしか仕事ができない職場で働いていると「これは本当に利用者のための仕事なのか」という事に疑問を感じる事もあるでしょう。もう数人介護士を雇用すればもっと介護の質を上げられて利用者のために役に立つ事ができるのに、それをしない施設の経営者の意図はどういうものでしょうか。単なる経費節約だとしたら、利用者のための介護ではなく、経営者のための介護だと感じてもおかしくありません。

効率と理想のはざまで悩む

介護施設の事業所の維持が大変な事も確かです。国などの補助金がもっと出ない限り、何か手立てがないと利用者が満足するサービスを提供する事が難しいのが現実です。介護を手厚くして利用者の満足度を上げようとすると、介護士の数が必要になります。しかしそれでは人件費が上がり施設を維持できなくなるとします。すると介護士の数を減らして、サービスの質を多少落として施設の存続をはかる事になります。すると介護士の仕事への満足度も下がり、利用者の満足度も下がる事になります。どちらも不満を抱える事になりあまり良い状態とはいえません。明らかに人員不足が原因で利用者へのサービスの質が落ちている場合でも、自分の介護スキル不足が原因だと考えてしまい、心が折れてしまう人もいるでしょう。結果真面目な人ほど介護施設から離れてしまい、ますます利用者へのサービスの質も落ちてしまう事になります。

介護施設の移動も選択肢のひとつ

施設を維持しつつ、介護の質を落とさないためにはかなりギリギリのバランスを目指す事になります。施設の利用者の人数、介護士の人数と質、経営者の経営の腕など、さまざまな要因がうまくいった時に、介護士も利用者も満足できる介護施設を維持する事ができます。介護士が手を抜いたり、経営者が儲けに走ったり、理想に走り過ぎたりした場合は、存在意義の無い施設になるか、破たんするかのどちらかになってしまいます。満足の行く介護ができるかどうかは、介護士ひとりの問題ではなく、施設全体の問題という事です。もしも経営者や他の職員に向上心がなく、経営者のための介護施設で働いていると感じる人は他の施設への移動を考えるのも選択肢のひとつです。

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